ヤマザキの株価が気になって調べてみると、パンの山崎製パンと工作機械のヤマザキという2つの会社が出てきて混乱したことはありませんか。私たちが普段コンビニで手にするパンの会社なのか、それとも高配当な別の会社なのか、それぞれの適正株価や投資としての魅力がどこにあるのか気になりますよね。今回は、この2つの「ヤマザキ」について、業績や配当の推移、そしてプロのアナリストが考える目標株価まで詳しく調べてみました。

- 山崎製パンの理論株価とアナリストの評価
- 最高益を更新し続ける業績の好調な理由
- 配当金や人気の株主優待制度の投資効率
- 高配当銘柄としての株式会社ヤマザキの魅力
山崎製パンにおけるヤマザキ適正株価の分析

まずは、私たちにとって最も馴染み深い「世界のヤマザキ」こと山崎製パン(2212)について見ていきましょう。コンビニでもおなじみのあの会社、今の株価は買い時なんでしょうか。
証券コード2212の理論株価と目標株価
投資をする上で一番気になるのが「今の株価は高いのか安いのか」という点ですよね。山崎製パン(2212)の株価について調べてみると、2025年12月中旬時点での市場価格は3,298円前後で推移しているようです。
これに対して、企業の資産価値や稼ぐ力から算出した「理論株価」は、PBR(資産面)で見ると3,289円、PER(収益面)で見ると3,311円という試算が出ています。つまり、現在の株価はまさに「理論通りの適正価格」と言えそうです。
現在の株価は、企業の実力に見合った「妥当な水準」である可能性が高いです。割高感もなければ、極端な割安感もない、フェアな状態と言えるかもしれません。
アナリスト予想による目標株価の乖離
では、プロの投資家たちはどう見ているのでしょうか。証券会社のアナリストによる評価を集計してみると、面白いことに「買い」や「強気買い」というポジティブな意見が見られます。
アナリストたちが予測する平均目標株価は3,563円となっており、現在の株価と比較すると、まだ8%から10%程度の上昇余地(アップサイド)があると見込まれているようです。「今は適正価格だけど、これからもっと上がるポテンシャルがある」と評価されているのは心強いですね。
「売り」と判断しているアナリストはなんと0人。多くの専門家が「中立」以上と見ており、経営状態への安心感は強そうです。
PERとPBR基準で見る現在の割安性
もう少し専門的な指標でもチェックしてみましょう。株価の割安度を測る代表的な指標であるPBR(株価純資産倍率)は1.51倍、PER(株価収益率)は15.6倍程度となっています。
PBRが1倍を超えているのは、投資家から「解散価値以上の価値がある」と認められている証拠ですし、PER15倍台というのは東証プライム市場の平均的な水準と比較しても決して割高ではありません。
一部の自動計算サイトなどでは「割高」と判定されることがありますが、これは過去の利益率が低かった時期のデータと比較している場合があるようです。今の山崎製パンは利益体質が変わってきているので、単純な過去比較には注意が必要です。
決算業績と上方修正が与える影響
なぜここまで評価が良いのかというと、やはり業績の裏付けがあるからですね。2024年12月期の第3四半期決算を見てみると、売上高はもちろん、利益の伸びがすごいことになっています。
| 指標 | 対前年同期比 | 私の感想 |
|---|---|---|
| 営業利益 | +39.2% | 本業でしっかり儲けていますね |
| 純利益 | +42.1% | 最終的な利益も大幅アップ |
原材料費の高騰で値上げも実施されていますが、それでも「ロイヤルブレッド」や「薄皮シリーズ」などの主力商品が売れ続けているそうです。私たち消費者としても、やっぱりいつもの味を選んでしまうんですよね。会社側も通期の利益予想を上方修正しており、3期連続で過去最高益を更新する見通しだとか。この「稼ぐ力」の向上が、株価の下支えになっているのかもしれません。
競合他社と比較した株価の評価
食品セクターの他の企業と比べるとどうでしょうか。例えば、第一屋製パン(PBR 0.52倍)や中村屋(PBR 0.68倍)といった同業他社はPBRが1倍を割れており、数字上はもっと割安に見えます。
ただ、山崎製パンは業界の圧倒的なリーダーです。物流網の強さや商品開発力を含めた「ブランド力」へのプレミアムが乗っていると考えれば、他社より少し高い評価(PBR 1.5倍)がついているのも納得がいきます。「安かろう悪かろう」ではなく、「良いものだから適正に評価されている」と捉えるのが良さそうです。
配当や優待から考えるヤマザキ適正株価

さて、株価の値上がり(キャピタルゲイン)も大事ですが、長く持つなら配当金や株主優待(インカムゲイン)も気になりますよね。ここからは、投資家への還元という視点で見ていきましょう。
配当金推移と利回りの最新情報
実は山崎製パン、最近になって株主還元にかなり力を入れているんです。以前は年間25円程度だった配当金が、業績好調を受けて倍増しています。
| 決算期 | 年間配当金 | 変化 |
|---|---|---|
| 2023年12月期 | 25.00円 | 実績 |
| 2024年12月期 | 45.00円 | 大幅増配! |
| 2025年12月期(予) | 50.00円 | さらに増える予想 |
現在の株価水準での配当利回りは約1.51%です。「めちゃくちゃ高配当!」というわけではありませんが、配当が2倍になったという事実は、株主を大切にしようという企業の姿勢の表れだと感じます。
人気な株主優待の内容と投資ハードル
「ヤマザキ」といえば、やっぱりパンの詰め合わせ優待が欲しい!と思う方も多いはず。3,000円相当の自社製品がもらえる優待は非常に人気がありますが、実は取得のハードルが結構高いんです。
多くの企業が100株で優待をもらえる中、山崎製パンは1,000株以上の保有が必要です。現在の株価(約3,300円)で計算すると、なんと約330万円の資金が必要になります。
300万円出して3,000円のパンをもらう計算になるので、優待利回りは0.1%以下です。純粋に「優待でお得に生活したい」という目的だと、ちょっと割に合わないかもしれません。あくまで「山崎製パンの大ファン」向けの特典と言えそうです。
高配当な株式会社ヤマザキ6147の魅力
ここで検索画面に戻ると、「ヤマザキ 配当」などで調べた時に、やたらと利回りが高い銘柄が出てきませんでしたか?それはおそらく、パンの会社ではなく、工作機械メーカーの「株式会社ヤマザキ(6147)」の方かもしれません。
こちらはJASDAQに上場している企業で、株価は300円台(!)と非常に手頃です。理論株価で見ても304円程度と算出されており、現在の株価(318円〜370円前後)は概ね適正範囲内と言えます。
4%を超える高い配当利回りの評価
この「もう一つのヤマザキ」の最大の特徴は、配当利回りの高さです。時期によっては配当利回りが4%を超えることもあり、高配当株ハンターたちの間では知られた存在のようです。
もし皆さんが「パンの優待」ではなく、「しっかりとした配当金収入」を求めて「ヤマザキ」と検索したのであれば、こちらの銘柄を検討してみるのも面白い選択肢かもしれません。ただし、パンの会社とは全く別の事業内容なので、投資する際はどんな機械を作っている会社なのか、しっかりチェックしてくださいね。
結論となるヤマザキ適正株価の判断

最後に、今回のリサーチ結果をまとめておきます。私が調べた限りでの「ヤマザキ 適正株価」の結論は以下の通りです。
- 適正株価ゾーン: 3,300円前後(現在の株価と一致)
- 目標株価: 3,500円台後半(業績好調で上昇余地あり)
- 投資スタンス: 安定成長と値上がり益を狙うなら「買い」。ただし優待ハードルは高い。
- 適正株価ゾーン: 300円台前半
- 投資スタンス: 少額で高い配当利回り(4%超)を狙うなら魅力的。
「ヤマザキ」という名前で検索しても、目的によって見るべき銘柄が全く異なるのが面白いですね。皆さんの投資スタイルに合わせて、ぴったりの「ヤマザキ」を選んでみてください。
※本記事は特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行ってください。

