最近ニュースやSNSを見ていると、セブンイレブンの売上に関する話題をよく目にします。「独り負け」なんてショッキングな言葉も飛び交っていますが、私たちが普段利用している感覚だと、やっぱりセブンイレブンは最強のコンビニという印象が強いのではないでしょうか。実際のところ、売上の推移はどうなっているのか、なぜランキング上位の商品はあんなに人気なのか、気になっている方も多いはずです。この記事では、公開されている最新のデータや決算情報を私なりに調べて、セブンイレブンの本当の実力や今後の行方について整理してみました。

- 過去10年の売上推移から見る成長と現在の立ち位置
- 競合他社と比較した際の圧倒的な日販データの詳細
- 客数が減少していると言われる本当の理由と背景
- フランチャイズオーナーの収益構造と年収の目安
2025年セブンイレブン売上の現状と独り負け説の真偽

まずは、一番気になる「現在の状況」から見ていきましょう。メディアではネガティブな見出しも踊りますが、実際の数字を見てみると、単なる不調とは言えない複雑な事情が見えてきます。ここでは、過去のデータや最新の決算資料をもとに、私が感じたセブンイレブンの「今」を深掘りしていきますね。
過去10年の推移から見る成長と鈍化
セブンイレブンの売上規模って、実はとんでもない金額なんですよね。過去10年ほどのデータを振り返ってみると、まさに右肩上がりの成長を続けてきたことがわかります。
平成20年代の初め頃は、チェーン全店売上高が約2.7兆円規模でした。それが令和5年度(2023年)には、なんと5兆3,452億円にまで達しているんです。たった十数年で倍近くになっている計算ですね。特にすごかったのが2015年あたりで、わずか5年で1兆円以上も売上を積み上げています。これはセブンカフェのヒットや、積極的な出店攻勢があった時期と重なります。
ちなみに、唯一売上が大きく落ち込んだのが2020年のコロナ禍です。オフィス街の店舗が大打撃を受けましたが、その後の回復ぶりは凄まじく、今では過去最高を更新しています。
ただ、ここ最近の伸び率を見ていると、少し「踊り場」に来ているのかな、という印象も受けます。これまでは店舗数を増やせば売上も伸びるという構図でしたが、市場が飽和してきたことや、人手不足の問題もあって、単純な拡大路線だけでは難しくなっているのかもしれません。
なぜ売上が落ちたと言われるのか
では、なぜ過去最高の売上高を記録しているのに「売上が落ちた」「苦戦している」と言われるのでしょうか。これには、「チェーン全店売上」と「営業利益」という2つの数字のギャップが関係しているようです。
2024年度の決算情報を見ると、確かにグループ全体の売上規模は維持しているものの、国内コンビニ事業の営業利益が大幅に減っているんです。第3四半期のデータでも、営業利益が前年同期比でかなり下がっています。
これには海外事業の再編費用なども含まれているそうですが、国内に限って見ても、既存店の売上が少し鈍化しているのが数字に表れています。つまり、「お店全体の売上金額(レジを通る金額)」は大きくても、そこから経費などを引いた「儲け」の部分が減ってしまっている、というのが正確なところなんですね。
独り負けと指摘される客数減の理由
「独り負け」という言葉が使われる最大の理由は、競合であるファミリーマートやローソンが増益基調を維持している中で、セブンイレブンだけが苦戦しているように見えるからです。その原因として一番大きいのが、「客数の減少」です。
私自身も感じることですが、最近の物価高でお財布の紐が固くなっていますよね。そんな中、セブンイレブンは「高品質・高単価」の商品戦略をとってきました。「多少高くても美味しいものを」という路線です。
しかし、インフレで実質賃金が下がっている今、消費者はこれまで以上に価格にシビアになっています。その結果、「ちょっと高いな」と感じた層が、ドラッグストアやディスカウントストア、あるいは「お得感」を打ち出している他のコンビニに流れてしまった可能性があります。
この「客離れ」が、売上や利益の伸び悩みに直結していると言われているんですね。
2024年売上ランキング上位の商品
苦戦しているとはいえ、やっぱりセブンイレブンの商品力はすごいなと思わされるのが、売上ランキング上位の顔ぶれです。私もよく買いますが、これらはもはや「指名買い」されるレベルですよね。
- 蒙古タンメン中本 辛旨味噌: カップ麺カテゴリーでは不動の1位だそうです。これだけを目当てにお店に行く人も多いですよね。
- セブンカフェ カフェラテ: コーヒーマシンで淹れる本格派。パンやスイーツと一緒に買う人が多い高利益商品です。
- 金のハンバーグ: 「セブンプレミアム ゴールド」の代表格。400円以上しますが、レストラン並みの味で「プチ贅沢」需要をガッチリ掴んでいます。
こうして見ると、ナショナルブランド(一般のメーカー品)よりも、セブンイレブン独自の「セブンプレミアム」が売上を牽引していることがよくわかります。年間売上1兆円を超える巨大ブランドですから、ここがセブンの生命線なんですね。
実際のフランチャイズオーナーの年収
「セブンイレブン 売上」と検索する方の中には、経営に興味がある方もいるかもしれません。これだけ売上があっても、オーナーさんの手取りがどうなのかは別の話です。
一般的に、セブンイレブンオーナーの平均年収は約700万円前後と言われています。ただ、これはあくまで平均値で、店舗の立地や契約タイプによって全然違うみたいです。
契約タイプによる違い
- Cタイプ: 土地や建物を本部が用意するタイプ。開業資金は安いですが、本部に払うロイヤリティ(チャージ)が高めです。
- Aタイプ: 土地や建物をオーナーが用意するタイプ。初期投資は大きいですが、チャージ率は低くなります。
最近は人件費の高騰がすごいですから、売上があっても人件費で利益が削られてしまう、というオーナーさんも多いと聞きます。24時間営業の負担もありますし、高売上=高収入とは限らないのが現実のようですね。
競合比較で分かるセブンイレブン売上の圧倒的な実力

ここまでは苦戦している部分にも触れましたが、競合他社と数字を並べて比較してみると、やっぱりセブンイレブンは「怪物級」だということがわかります。ここでは、ファミマやローソンと比較しながら、その圧倒的な実力の正体に迫ります。
全店平均日販70万円の凄さと秘密
コンビニ業界で最も重要視される指標の一つに「全店平均日販」があります。これは1店舗あたり、1日にどれくらい売上があるかという数字なんですが、セブンイレブンはこの数字が桁違いなんです。
なんと、セブンイレブンの平均日販は約70万円。これは業界でも断トツのトップです。
なぜこんなに売れるのかというと、やっぱり「ドミナント戦略」が大きいですよね。特定の地域に集中してお店を出すことで、専用工場から新鮮な商品を頻繁に配送できる。だから、いつ行ってもおにぎりや弁当が充実している。これが「行けば何かある」という信頼感(マインドシェア)に繋がって、結果的に高い日販を叩き出しているんだと思います。
ファミマやローソンとの徹底比較
では、ライバルたちと比較してみましょう。2023年度の実績データをもとに、主要な数字を比べてみました。
| 項目 | セブンイレブン | ファミリーマート | ローソン |
|---|---|---|---|
| チェーン全店売上高 | 約5.3兆円 | 約3.2兆円 | 約2.7兆円 |
| 国内店舗数 | 約21,500店 | 約16,200店 | 約14,600店 |
| 全店平均日販 | 約70万円 | 約57万円 | 約54万円 |
こうして見ると、店舗数の差以上に、売上高の差が大きいことがわかります。日販で10万円以上の差があるということは、年間で1店舗あたり約4,000万円もの売上差になる計算です。これはすごい差ですよね。
ただ、最近はファミマの「40%増量作戦」や、ローソンの「まちかど厨房」など、各社独自の戦略で猛追しています。特にファミマの増量キャンペーンはSNSでも話題になりますし、お得感があって私もついつい行ってしまいます。セブンもうかうかしていられない状況なのは間違いなさそうです。
店舗数が多い都道府県とその特徴
セブンイレブンのお店が多い地域ランキングを見てみると、やっぱり1位は東京都で約2,900店。次いで神奈川県、大阪府と続きます。
面白いのが「山梨県」です。人口あたりの店舗数でトップクラスだそうで、シェアが圧倒的なんだとか。これもドミナント戦略の結果ですね。
逆に店舗数が少ないのは高知県や沖縄県です。特に沖縄県は進出が一番遅かったので、まだ160店舗くらいですが、これからどんどん増えていきそうです。
客単価アップを実現する商品戦略
客数が伸び悩む中で、セブンイレブンが売上を維持してきた秘訣は「客単価のアップ」にあります。つまり、一人のお客さんにたくさん買ってもらう、あるいは高い商品を買ってもらう戦略です。
例えば、「セブンプレミアム ゴールド」のような高付加価値商品はその典型ですよね。でも、それだけだと「高い」と思われてしまうので、最近では「うれしい値!」という値下げキャンペーンを始めて、価格に敏感な層を取り戻そうとしています。
さらに、スマホで注文して最短20分で届けてくれる即配サービス「7NOW(セブンナウ)」も強化しています。これなら雨の日でも注文が入るので、お店に来ない人の売上もプラスできるわけです。新しい売り方がどんどん出てきていますね。
1日の平均売上高と来客数の関係
日販70万円というのは確かにすごい数字ですが、その中身を見てみると、これまでは「来客数」よりも「客単価」の上昇で支えられていた部分が大きいようです。
これまでは値上げをしても「質が良いから」と受け入れられてきましたが、ここに来てそのバランスが崩れかけているのが現状です。売上高(日販)を維持、あるいはさらに伸ばすためには、やっぱり下がってしまった来客数をどうやって戻すかが最大の課題になりそうです。
今後のセブンイレブン売上の展望

最後に、これからのセブンイレブンはどうなっていくのか、私なりの展望をまとめてみます。
今は「独り負け」なんて言われて調整局面にあるようですが、やっぱり基礎体力は圧倒的です。最近では、スーパーマーケットの要素を取り入れた大型店「SIPストア」の実験も始めているそうです。生鮮食品や冷凍食品をもっと充実させて、ミニスーパーの需要を取り込もうとしているんですね。
また、グループ全体では祖業のイトーヨーカ堂を切り離して、コンビニ事業に集中する動きも出ています。世界レベルで見ればまだまだ成長の余地はあるはず。
一時的な苦戦はあるかもしれませんが、「うれしい値!」のような柔軟な価格戦略や、新しい店舗の形が軌道に乗れば、また強いセブンイレブンが見られるんじゃないかなと期待しています。私たち利用者としては、美味しくて便利で、できればお財布にも優しいセブンであってほしいですね。
※本記事の情報は、執筆時点での公開データや報道に基づいた一般的な分析です。正確な最新情報については、セブン-イレブン・ジャパンの公式サイト等をご確認ください。

