コンビニ業界の最大手であるセブンイレブンですが、投資対象として見た場合に「今の株価はお買い得なのか」「配当金は今後どうなるのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。特に最近は買収提案やMBOといった大きなニュースが飛び交い、株価の動きや権利確定日がいつなのか、100株保有した場合の利回りがどう変化するのかなど、予想が難しい状況が続いています。私自身もニュースを見ながら、今後の推移や株主優待の行方がとても気になっていました。そこで今回は、最新の情報を整理しながら、セブン&アイ・ホールディングスの現状と将来性について、投資家目線ではなくコンビニ好きの視点も交えて詳しく見ていきたいと思います。

- 2026年までの配当金予想と増配の可能性がわかる
- 100株保有時の実質利回りと優待のメリットを把握できる
- 買収騒動やMBOが株価に与えた影響と現状を理解できる
- 今後の構造改革による株価への期待とリスクが整理できる
セブンイレブンの株価配当と利回りの実績

まずは、投資家として一番気になる「お金」の部分、つまり配当金と利回りの実績について見ていきましょう。最近のセブン&アイは株主還元にかなり力を入れている印象ですが、実際に数字で見るとどのような変化があるのでしょうか。ここからは具体的なデータを交えて、私なりの視点で解説していきます。
2026年までの配当金推移と増配予想
セブン&アイ・ホールディングスの配当政策を見ていると、ここ数年は非常にポジティブな変化が起きていると感じます。これまでは「安定配当」というイメージが強かったのですが、最近では明確に「増配」への意欲を見せているんですよね。
具体的に見ていくと、2026年2月期の年間配当予想は1株あたり50円となっています。これは2025年2月期の予想である40円と比較すると、なんと10円もの増配になる見込みです。率にして25%アップですから、これはホルダーにとってはかなり嬉しいニュースではないでしょうか。
| 決算期 | 中間配当 | 期末配当 | 年間合計 |
|---|---|---|---|
| 2026年2月期 (予想) | 25.00円 | 25.00円 | 50.00円 |
| 2025年2月期 (予想) | 20.00円 | 20.00円 | 40.00円 |
| 2024年2月期 (実績) | 18.83円 | 18.83円 | 37.70円 |
※2024年以前の数値は株式分割(1:3)を考慮した調整後の数値です。
この背景には、やはり昨今の買収提案に対抗するために、株主を味方につけたいという経営陣の強い意志を感じます。「ちゃんと利益は還元しますよ」というメッセージですね。個人的には、この増配傾向は今後もしばらく続くんじゃないかなと期待しています。
現在の配当利回りと投資判断の目安
では、今の株価に対して配当利回りはどれくらいなのか、計算してみましょう。株価を約2,170円(2025年12月時点)と仮定して、2026年予想の配当金50円で計算すると、配当利回りは約2.30%となります。
「あれ、意外と高くない?」と思った方もいるかもしれませんね。たしかに、いわゆる高配当株ランキングに出てくるような銘柄(利回り4%〜5%)と比べると、数字上のインパクトは控えめです。ただ、ここで見逃せないのが「株主優待」を含めた総還元利回りです。
後ほど詳しく触れますが、優待を含めると実質的な利回りは3%を超えてくるんです。銀行にお金を預けていてもほとんど増えない今の時代、大手企業の安心感とセットで3%超のリターンが得られるなら、投資対象としては十分に魅力的かなと思います。
配当金の権利確定日はいつ?支払日も解説
配当金をもらうために絶対に外せないのが「権利確定日」の把握ですよね。うっかり1日ズレて買ってしまって配当が貰えなかった、なんてことになったら目も当てられません。
セブン&アイの場合、権利確定日は毎年「2月末日」と「8月末日」の年2回です。ただし、実際に株を保有していないといけないのは、権利確定日の2営業日前にあたる「権利付き最終日」までですので注意してくださいね。
配当金が実際に振り込まれる支払日のスケジュール感はおおよそ以下の通りです。
- 中間配当(8月権利分):11月中旬ごろ支払い
- 期末配当(2月権利分):翌年5月下旬ごろ支払い
忘れた頃にお小遣いが入ってくる感覚で、個人的にはこのタイムラグも楽しみの一つだったりします。
100株保有時の配当金額と計算方法
これから投資を始める方にとって、「とりあえず100株買ったらいくら貰えるの?」というのが一番知りたいポイントかもしれません。ざっくり計算してみましょう。
2026年2月期の予想配当(年間50円)をベースに考えると、100株保有時の年間配当金は5,000円(税引前)になります。ここから約20%の税金が引かれるので、手取りだと約4,000円ちょっとですね。
「5,000円かぁ」と思うかもしれませんが、これに加えて株主優待の商品券が2,000円分(3年未満保有の場合)もらえるので、合計すると年間7,000円相当の還元になります。コンビニでちょっと贅沢なスイーツを毎月買うくらいの余裕は生まれる計算です。私はこの「優待+配当」のコンボが、セブン&アイ株の最大の魅力だと思っています。
配当性向の推移と株主還元方針
少し専門的な話になりますが、「企業が稼いだ利益のうち、どれくらいを株主に配っているか」を示す配当性向についても触れておきます。ここが最近、劇的に変わったんです。
以前のセブン&アイは配当性向40%程度を目安にしていましたが、2025年2月期以降は「配当性向60%」へと大幅に引き上げました。これは日本の企業全体を見てもかなり高い水準です。
「成長投資も大事だけど、今は株主への還元を最優先します」という会社側の決意表明とも取れますね。また、DOE(株主資本配当率)という指標も重視していて、利益が一時的に落ち込んでも配当は維持する姿勢を見せているので、長期で保有する安心感はかなり高まったんじゃないかなと感じています。
セブンイレブンの株価配当や今後の見通し

ここからは、少し視点を広げて「これからのセブン&アイはどうなっていくの?」という将来の話をしていきましょう。買収騒動のその後や、会社が進めている大きな変革について、私なりの解釈を交えてお話しします。
今後の株価予想とアナリストの目標株価
現在の株価は2,100円台(2025年12月時点)で推移していますが、プロのアナリストたちはどう見ているのでしょうか。色々なレポートをチェックしてみると、平均的な目標株価は2,280円〜2,300円付近に設定されていることが多いようです。
現状の株価は、アナリストの目標値よりも少し安い水準にあります。これは、「本当に構造改革が上手くいくの?」という市場の迷いや、北米事業の不振に対する懸念が反映されているのかもしれません。
ただ、理論株価(企業の純粋な価値から算出した株価)と比較すると、現在の株価はやや割高という見方もあります。これは「何か大きな改革が起きて、もっと価値が上がるはずだ」という期待値(プレミアム)が乗っかっている状態とも言えますね。私としては、この期待が剥落しない限り、2,000円台前半での底堅い動きが続くんじゃないかなと見ています。
株主優待の内容と長期保有のメリット
先ほど少し触れた株主優待ですが、実は「長期保有」することでさらにお得になる仕組みがあるのをご存知でしょうか。
| 保有株数 | 3年未満 | 3年以上 |
|---|---|---|
| 100株〜 | 2,000円分 | 2,500円分 |
| 400株〜 | 2,500円分 | 3,000円分 |
| 700株〜 | 3,000円分 | 3,500円分 |
100株持っているだけで、3年以上保有すれば商品券が500円アップして2,500円分になります。これ、地味に嬉しいですよね。この「長期保有優遇制度」があるおかげで、多少株価が下がっても「まあ優待も増えるし、長く持っておこう」という気持ちになれます。
【重要】優待券は今後も使える?
イトーヨーカドーなどが別会社(ヨークホールディングス)になるというニュースがありましたが、会社側の発表によると、分社化後も「セブン&アイ共通商品券」は引き続きイトーヨーカドーなどで使えるとのことです。ここは利用者として安心しました!
掲示板での市場センチメントと投資家の声
ネット上の掲示板やSNSでの投資家の声を覗いてみると、意見は真っ二つに割れている印象です。
楽観的な意見としては、「配当も増えるし、自社株買いも期待できるからガチホ(長期保有)一択!」という声や、「海外のコンビニ事業に特化すれば、もっと評価されるはず」という期待の声があります。一方で慎重な意見としては、「北米の消費が落ち込んでいるのが心配」「円高になったら業績が悪化するのでは?」といった不安の声も聞かれます。
特に、買収提案があった時の価格(2,700円〜2,800円)や、MBOで噂された価格(3,400円台)と今の株価を比べて、「安すぎるから買いだ」と判断する人と、「買収話が消えたからもう上がらない」と判断する人の攻防が続いている感じですね。
理論株価と現在の株価評価の比較
少し数字の話に戻りますが、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった指標で見ると、セブン&アイは今「変化の途中」にあることがわかります。
予想PERは約21倍と、日本の一般的な小売業と比べると少し高めです。でもこれは、単なる日本のスーパーではなく「世界のセブンイレブン(グローバル成長企業)」として再評価されようとしている証拠かもしれません。海外のコンビニ大手はもっと高い倍率で取引されていますから、構造改革が進んで「コンビニ一本足打法」になれば、このPERも正当化される可能性があります。
PBRも約1.5倍と、解散価値の1倍をしっかり超えています。市場はセブン&アイのブランド力や将来性に、ちゃんとプラスの価値を認めているということですね。
権利落ち日の株価下落リスクと対策
高配当や優待が魅力的な銘柄で気をつけたいのが、「権利落ち日」の株価下落です。権利確定日の翌日(権利落ち日)になると、配当や優待をもらう権利がなくなるため、理論上はその分だけ株価が下がることが多いです。
セブン&アイの場合も、配当利回りが高くなっている分、権利落ち日には数十円程度の下落が見込まれます。「優待をもらった以上に株価が下がって損をした!」なんてことにならないよう、私は「長期目線で気にしない」か、もし短期売買なら「権利日またぎを避ける」といった対策を意識しています。
ただ、最近は自社株買いなどの株価対策も積極的なので、下がったところですぐに買い戻しが入るケースも多いように感じます。
セブンイレブンの株価配当情報のまとめ

今回はセブン&アイ・ホールディングスの株価配当について、個人的な視点も含めてまとめてみました。色々と書きましたが、結論としては以下の3点がポイントかなと思います。
- 配当は大幅増額中:2026年2月期は年50円予想で、配当性向も60%へ引き上げ。
- 優待は実用的:100株で2,000円分〜の商品券は、分社化後もヨーカドー等で利用可能。
- 今は変革の過渡期:構造改革やグローバル化の真っ最中で、株価には「期待」と「不安」が入り混じっている。
「インカム(配当・優待)をもらいながら、会社の変革をじっくり見守る」というスタンスであれば、今のセブン&アイは非常に面白い投資対象ではないでしょうか。もちろんリスクはゼロではありませんが、コンビニ好きの一人として、これからもその動向を追いかけていきたいと思います。
※本記事は特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断は、必ずご自身の責任において、公式サイトや専門家の情報を確認した上で行ってください。

