街中でよく見かける、あの安心感のある青と緑の看板。私たちが普段何気なく利用しているファミリーマートのロゴですが、その歴代のデザインには様々な変遷があったことをご存知でしょうか。「昔のロゴ」には、今とは全く違うスマイルマークや太陽、星といった可愛らしいモチーフが使われていた時期もあり、その歴史を紐解くとコンビニ業界の進化そのものが見えてくるようでワクワクします。現在のロゴに使われている青と緑のカラーには一体どんな意味や由来が隠されているのか、そしてサークルKやam/pmとの統合で看板がどのように変わっていったのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。この記事では、そんなファミマの看板の歴史について、私なりに調査した内容を詳しくまとめてみました。

- ファミリーマートの昔のロゴマークに使われていた懐かしいモチーフ
- 現在のブランドカラーである青と緑に込められた深い意味と由来
- am/pmやサークルKサンクスとの統合による看板変更の歴史
- 人気のコンビニエンスウェアなど最新のロゴ活用とデザイン戦略
ファミリーマートのロゴ歴代史:昔のスマイルマーク

まずは、ファミリーマートのロゴが現在の形になる前、創業当初の懐かしいデザインから、おなじみの「青と緑」が定着するまでの流れを見ていきましょう。昔のデザインを知ると、当時のコンビニが目指していた「温かさ」が伝わってくる気がします。
懐かしい昔のロゴとスマイルマークの記憶
インターネットで「ファミリーマート ロゴ 歴代」と検索すると、「昔のロゴ」や「スマイル」といったキーワードが出てくることがありますよね。実は、1970年代から80年代にかけての初期のファミリーマートは、現在のようなシャープなデザインではなく、もっと牧歌的で温かみのあるデザインを採用していたんです。
1973年に埼玉県狭山市に1号店ができた当時は、まだセゾングループ(西友)の一部門という位置付けでした。当時のコンビニは「深夜営業をする未知のお店」として、少し怪しまれることもあったとか。だからこそ、機能性よりも「親しみやすさ」を優先して、地域住民の警戒心を解くようなデザインが求められていたのかもしれませんね。
当時の雰囲気
当時のデザイン哲学は、パルコや無印良品などを生み出したセゾングループの影響を受けていたとも言われています。どこか人間味のある「Family(家族)」のような関係を築きたいという想いが込められていたんですね。
太陽や星がモチーフだった初期の看板
私の記憶や調査によると、初期の店舗装飾や看板には、笑顔を模したようなイラストや、太陽、星といった明るいモチーフが使われていた時期がありました。今のスタイリッシュなロゴからは想像もつかないですが、とても可愛らしい雰囲気だったようです。
当時はサンチェーン(後にローソンと統合)など、他のコンビニチェーンも太陽や星といったモチーフをよく使っていました。もしかすると、当時の流行りだったのかもしれませんね。「昔のファミマはニコちゃんマークみたいだった」という記憶を持っている方がいるのも、こうした「温かい人間関係」を視覚化したデザインが強烈な印象を残しているからではないでしょうか。
青と緑のブランドカラーが決まった由来
では、いつから現在のあのデザインになったのでしょうか? 大きな転換点は1992年に訪れます。この年、ファミリーマートは現在のアイデンティティである「ブルー」と「グリーン」のブランドカラーを制定し、ロゴを一新しました。
1992年のVI刷新の背景
- セゾングループからの自立と独自性の確立が必要だった
- セブン-イレブン(赤・緑・オレンジ)やローソン(青・白)との差別化
- バブル崩壊後の社会で「都市的な利便性」や「知性」をアピールするため
それまでの「親しみやすさ」一辺倒から、より自立したチェーンとして「機能性」や「信頼感」を打ち出す方向にシフトしたんですね。この決断が、今のファミマブランドの基礎を作ったと言っても過言ではありません。
現在のロゴの色が持つ深い意味と効果
私たちが普段目にしているあの「青」と「緑」。実は単なる色の好みで選ばれたわけではなく、しっかりとした意味が込められているんです。公式な情報によると、それぞれの色には以下のような意味があるそうです。
| 色 | 象徴する意味 | イメージ |
|---|---|---|
| ブルー | 知性、希望、自由 | 都会のオアシス、湧き出る泉 |
| グリーン | 自然、若々しさ | 樹木の緑、新鮮さ |
この二色を組み合わせることで、「都市(ブルー)と自然(グリーン)が出会う場所」という意味や、お客様との「太い絆」を表現しているんだとか。セブン-イレブンのような暖色系(赤やオレンジ)をあえて使わず、寒色系でまとめることで、「清潔感」や「クールさ」を際立たせようとした戦略は見事ですよね。
台湾進出が促した視覚的アイデンティティ
もう一つ、デザイン変更の大きなきっかけになったと言われているのが、1988年の台湾進出です。海外、特に漢字文化圏である台湾において、「FamilyMart」という英語名だけでなく、一目で「あ、ファミマだ」と分かるシンボルマークの重要性が高まったんですね。
言葉が通じなくても、ロゴを見れば安心できる。そんなグローバルな展開を見据えていたからこそ、1992年のあの大胆なデザイン変更へと繋がっていったのかなと思います。
ファミリーマートのロゴ歴代変遷と統合による変化

ここからは、皆さんの記憶にも新しいかもしれない、M&A(合併・買収)による看板の「塗り替え」の歴史についてお話しします。ファミマのロゴは、競合チェーンを統合しながら、その数を爆発的に増やしてきました。
am/pm吸収合併による看板の激変
2010年頃、首都圏に住んでいた方はよく覚えているのではないでしょうか。あの「オレンジと紫」や「水色とピンク」といった個性的なカラーだったam/pm(エーエム・ピーエム)が、次々とファミリーマートに変わっていった時期です。
私も当時、よく行っていたam/pmがある日突然、青と緑の看板に変わっていて驚いた記憶があります。これは単なる看板の変更というよりも、都市の景色が一変するような出来事でした。暖色系だった店舗が寒色系のファミマカラーになることで、街の印象もガラッと変わりましたよね。
サークルKサンクスとファミマの統合劇
そしてさらに大きなインパクトがあったのが、2016年から始まったサークルKサンクスとの統合です。「One FamilyMart」というスローガンのもと、全国で約5,000店舗もの看板が架け替えられました。
看板の色が変わるということ
サークルKの「赤とオレンジ」、サンクスの「赤と黄色(帽子マーク)」。これら暖色系の看板が、わずか数年で全てファミリーマートの「青と緑」に統一されました。
これはまさに、ロゴによる「領土の拡大」と言えるかもしれません。かつてあった多数のブランドを飲み込み、その跡地に掲げられた青と緑のストライプは、激しいコンビニ業界を勝ち抜いてきた「勝者の旗印」のようにも見えますね。
有名デザイナーによる新しいロゴ活用術
最近のファミリーマートは、ただ店舗を増やすだけでなく、デザインの「質」にもこだわり始めています。特に印象的なのが、クリエイティブ・ディレクターの佐藤可士和氏が手掛けたプライベートブランド「ファミマル」のロゴです。
「ファミリーマート」と「二重丸(はなまる)」を掛け合わせたこのロゴは、とてもシンプルで分かりやすいですよね。パッケージデザインも整理されて、商品棚全体がスッキリとおしゃれになった気がしませんか? 昔のゴチャッとした感じから、洗練されたライフスタイルブランドへと進化しているのを感じます。
ファミマソックスが証明した色のブランド力
そして、個人的に「これはすごい!」と思ったのが、ファッションデザイナーのNIGO®氏が監修した「コンビニエンスウェア」、特にあの「ラインソックス」です。
ファミリーマートのロゴそのものではなく、「青と緑の色」だけを抽出してストライプ柄にするというアイデア。かつては「コンビニの看板の色」でしかなかったあの配色が、今や若者の間で「クールなファッションアイコン」として愛用されています。これは、1992年に制定されたブランドカラーが、30年以上かけて完全に定着し、文化の一部になったことの証明ではないでしょうか。
ファミリーマートのロゴ歴代から見る未来

こうして振り返ってみると、ファミリーマートのロゴは、時代の変化に合わせて柔軟にその役割を変えてきたことが分かります。初期の「親しみやすさ」から、中期の「機能性と信頼」、そして現在は「ライフスタイルの提案」へ。
最近では店舗にデジタルサイネージが導入されるなど、ロゴの見せ方も進化していますが、あの「青と緑」の組み合わせが持つ「知性」と「新鮮さ」というコンセプトは、これからも変わらず私たちの生活に寄り添ってくれるはずです。次にファミマに行ったときは、ぜひあの看板を改めて見上げてみてください。その背後にある長い歴史を感じられるかもしれませんよ。
まとめ:ファミマロゴの変遷
- 昔はスマイルや太陽をモチーフにした牧歌的なデザインだった
- 現在の青と緑は1992年に制定。「都会」と「自然」の融合を意味する
- am/pmやサークルKサンクスとの統合で、青と緑の看板が全国に急増した
- 現在は「ファミマル」や「ラインソックス」など、色がブランド資産として活用されている

