街中どこにでもある便利なコンビニですが、ふとセブンイレブンはどこの国の会社なのかと疑問に思ったことはありませんか。もともとアメリカで創業した歴史がありながら現在は日本の企業が親会社であるという事実は知っていても、具体的な経緯や現在の社長や株主の構成までは詳しく知らないという方も多いかもしれません。さらに最近ではカナダの企業から買収提案を受けたというニュースもあり、結局今はどこの国籍になるのか混乱してしまいますよね。この記事ではセブンイレブンの発祥から現在に至るまでの複雑な歴史や、台湾やタイなど海外での意外な展開状況についてわかりやすく解説していきます。

- 創業の地アメリカから日本企業へと変わった歴史的な逆転劇
- 現在世界中で展開されているセブンイレブンの国ごとの運営事情
- 最近ニュースになっている海外企業による買収提案と今後の行方
- 日本発のコンビニシステムがいかに世界を変えたかという豆知識
セブンイレブンはどこの国?米国発祥から日本企業へ

私たちが普段何気なく利用しているセブンイレブンですが、そのルーツを辿ると日本とアメリカの間で繰り広げられた壮大なドラマが見えてきます。ここでは、アメリカでの誕生から日本企業が経営権を握るまでの歴史的な経緯について詳しく見ていきましょう。
アメリカが発祥地である創業の歴史
セブンイレブンの歴史は、実は今から約100年も前の1927年のアメリカ・テキサス州ダラスで始まりました。当時は冷蔵庫が家庭に普及していなかった時代で、氷を販売していた「サウスランド・アイス・カンパニー」という会社がすべての始まりです。
従業員だったジョン・ジェファーソン・グリーンさんが、氷を買いに来るお客さんのために牛乳や卵、パンといった食料品を一緒に売り始めたのが、コンビニエンスストアの原型と言われています。これってすごいアイデアですよね。
当初は店先にトーテムポールを飾っていたことから「トーテム・ストア」と呼ばれていたそうですが、1946年に営業時間を朝7時から夜11時まで延長したことをアピールするため、「7-Eleven」という名前に変更されました。今の24時間営業とは違いますが、当時としては画期的な長時間営業だったんですね。
スラ―ピーって知ってる?
アメリカのセブンイレブンでは、創業当時からの文化として「スラ―ピー」というフローズンドリンクや、バケツのような巨大サイズのドリンク「ビッグガルフ」が今でも名物商品として愛されています。
日本企業が親会社になった買収の経緯
では、なぜアメリカ生まれの企業が日本の会社になったのでしょうか。きっかけは1973年、当時のイトーヨーカ堂の役員だった鈴木敏文氏がアメリカ視察中にセブンイレブンに出会い、ライセンス契約を結んだことです。
1974年に豊洲に日本1号店をオープンさせて以降、日本では独自の進化を遂げて大成功しました。一方で、本家アメリカの運営会社であるサウスランド社は、1980年代後半に経営危機に陥ってしまいます。そこで1991年、かつての弟子であるセブン-イレブン・ジャパンとイトーヨーカ堂がサウスランド社の株式の約70%を取得して経営再建に乗り出すという、映画のような逆転劇が起きたんです。
発祥国と現在の国籍の違いを解説
この歴史的な経緯により、セブンイレブンの「国籍」は非常にユニークな状態になっています。企業としての起源(発祥国)は間違いなくアメリカですが、現在の資本構造上の所有者(国籍)は日本ということになります。
2005年には持株会社である「セブン&アイ・ホールディングス」が設立され、アメリカ法人(7-Eleven, Inc.)の株式を全て取得して完全子会社化しました。つまり、今のセブンイレブンは名実ともに日本の会社なんですね。
ここがポイント
アメリカで生まれたブランドを、日本の経営陣が買い取って育て上げた「日米合作」の成功モデルと言えます。
親会社セブン&アイの構造と本社
現在、セブンイレブンを統括しているのは、東京都千代田区二番町に本社を置く日本企業「株式会社セブン&アイ・ホールディングス」です。
この会社はセブンイレブンだけでなく、イトーヨーカ堂やデニーズ、金融のセブン銀行などを傘下に持つ巨大なグループ企業です。私たちが普段見ている「7i」のロゴマークは、このグループ全体の象徴なんですね。
ただし、最近はグループ構造の改革が進んでいて、スーパー事業を切り離したり、海外のコンビニ事業を強化したりと、組織の形はどんどん変化しています。
日本流システムが変えた世界の常識
私が個人的に一番すごいと思うのは、単に会社を買収しただけでなく、日本のビジネスモデルが世界標準になったという点です。
日本のセブンイレブンが確立した「単品管理」という手法はご存じでしょうか。天気や地域の行事に合わせて「明日は寒いからおでんを増やそう」といった仮説を立てて発注する仕組みです。この日本発のきめ細かい管理システム(Tanpin Kanri)は、今や世界の小売業の教科書にも載るほどの革新的な発明なんです。
セブンイレブンはどこの国が運営?世界の事情と買収

法的には日本企業となったセブンイレブンですが、世界中で同じように運営されているわけではありません。ここからは、国ごとに異なるユニークな運営事情や、最近世間を騒がせている巨大な買収ニュースについて深掘りしてみましょう。
台湾での普及率と独自サービスの秘密
海外旅行で台湾に行ったことがある方は、セブンイレブンの多さに驚いたのではないでしょうか。台湾では「統一超商」という現地の巨大企業が運営を担っていて、人口あたりの店舗密度は世界トップクラスです。
台湾のセブンイレブンは、ただのコンビニではありません。公共料金の支払いはもちろん、新幹線のチケット予約からクリーニングの受け渡しまで、生活のあらゆる用事が済ませられるインフラになっています。
人気キャラ「OPENちゃん」
台湾のセブンイレブンには「OPENちゃん」という宇宙犬のキャラクターがいて、国民的なアイドル並みの人気を誇っています。日本にはいないキャラなので、見かけたら要チェックですよ!
タイや韓国などアジア各国の展開状況
アジア各国でもセブンイレブンは強い存在感を示していますが、運営している会社は国によって違います。
| 国・地域 | 運営主体 | 特徴 |
|---|---|---|
| タイ | CP All | 店舗数世界2位。屋台文化と融合し、ホットスナックが充実。 |
| 韓国 | Korea Seven | ロッテグループ傘下。業界3強の一角として激しく競争中。 |
| 台湾 | 統一超商 | 独自のキャラクター戦略と多機能サービスで圧倒的シェア。 |
特にタイでは、現地の財閥であるCPグループが運営していて、店舗数は日本に次ぐ世界第2位の規模なんです。バンコクなどでは向かい合わせにセブンイレブンがあることも珍しくなく、屋台のように店内でホットサンドを焼いてくれるサービスが大人気なんですよ。
カナダ企業クシュタールによる買収騒動
さて、ここ最近で一番大きなニュースといえば、2024年から2025年にかけて話題になったカナダのコンビニ大手「アリマンタシォン・クシュタール(ACT)」による買収提案の話ですよね。
「えっ、セブンイレブンがカナダの会社になっちゃうの?」と心配した方も多いと思います。クシュタールは「サークルK」などを世界展開する巨大企業で、日本のセブン&アイ・ホールディングスに対して巨額の買収を提案しました。
これに対抗するために、セブンイレブンの創業家(伊藤家)などが中心となってMBO(経営陣による買収・株式非公開化)を行うという話も出てきており、まさに「日本の宝」を巡る攻防戦が繰り広げられています。
MBOとは?
Management Buyoutの略で、経営陣が株主から自社の株を買い取って、上場を廃止することです。これにより、外部からの敵対的な買収を防ぎ、長期的な視点で経営の立て直しができるメリットがあります。
海外店舗と日本のサービス内容の違い
「日本のコンビニは世界一」とよく言われますが、これは本当かなと思います。アメリカのセブンイレブンは長らくガソリンスタンドのおまけのような存在で、商品はコーラやドーナツ、タバコが中心でした。
しかし最近では、日本流の「質の高い食」を逆輸入する動きが進んでいます。日本で培ったおにぎりや弁当のノウハウをアメリカにも持ち込み、フレッシュフードを強化しているんです。現地のパートナー企業も日本のやり方を学んでいて、世界中のセブンイレブンがどんどん「日本化」しているのは面白い現象ですね。
北米事業のIPOと今後のグローバル戦略
買収騒動を受けて、セブン&アイ・ホールディングスは大きな改革を打ち出しています。その一つが、アメリカのコンビニ事業(7-Eleven, Inc.)を株式上場(IPO)させるという計画です。
また、祖業であるイトーヨーカ堂などのスーパー事業をグループから切り離し、「コンビニ専業のグローバル企業」として生まれ変わろうとしています。これは企業価値を高めて、外資からの買収を防ぐ狙いもあると言われています。
結論:セブンイレブンはどこの国の企業か

ここまで見てきた通り、「セブンイレブン どこの国」という問いへの答えは、以下のようになります。
- 発祥の地はアメリカ(テキサス州)
- 現在の親会社は日本(セブン&アイ・ホールディングス)
- ただし、運営の実態は各国のパートナー企業による多国籍な展開
法的には日本企業ですが、その中身はアメリカの開拓者精神と日本の緻密な現場力が融合した、まさにグローバルな存在だと言えるでしょう。
今後、カナダ企業による買収がどうなるのか、あるいはMBOで非上場化するのか、まだまだ目が離せませんね。普段のお買い物の際も、「このおにぎりの裏には世界的なドラマがあるんだな」なんて思い出してみると、少し違った景色が見えてくるかもしれません。
最後に
本記事の情報は2025年時点の調査に基づいています。企業の買収や再編に関する状況は日々変化するため、最新かつ正確な情報は必ず公式サイトや経済ニュースをご確認ください。
