ふと立ち寄ったファミリーマートで買い物をしているとき、ふと耳に入ってくる店内放送やレジ上のモニターに映る広告が気になったことはありませんか。自分のお店や会社の宣伝をあんな風に流せたら面白そうだなと考えたり、単純に今流れている曲やナレーターの声優さんが誰なのか気になったりする方も多いはずです。実はコンビニの店内というのは、単なる買い物の場であるだけでなく巨大なメディアとしても機能しています。そこで今回は、ファミリーマートの店内放送や広告に関する募集の仕組みや料金の目安、さらには放送されている時間帯や番組のコンテンツ内容について詳しくまとめてみました。

- ファミリーマートの店内放送やデジタルサイネージ広告の種類と違い
- 地域や放送形式ごとの広告料金相場と出し方の流れ
- 店内で流れている番組のナレーターやアーティスト戦略
- VTuberやファン参加型企画など新しい広告の形と将来性
ファミリーマートの店内放送広告にかかる料金と種類

私たちが普段何気なく接しているファミリーマートの広告ですが、実は大きく分けて「目」で見るタイプと「耳」で聞くタイプの2種類が存在しているんです。それぞれ届けられる情報量や設置されている店舗の条件が異なるため、もし広告を出したいと考えるなら、まずはこの違いをしっかり理解しておくことが大切ですね。
デジタルサイネージと音声CMの違い
ファミリーマートの店舗メディアにおける最大の特徴は、レジ上などに設置された3連の大型モニターによる「FamilyMartVision(ファミリーマートビジョン)」と、店内のスピーカーから流れる「インドアラジオ(店内放送)」の2つが共存している点です。
まずFamilyMartVisionですが、これは「DOOH(Digital Out of Home)」と呼ばれる屋外デジタル広告の一種です。映像と音声を組み合わせて、レジ待ちをしているお客様や店内を回遊しているお客様にダイレクトに視覚的なアピールができます。特に最近の設置店舗では、横に並んだ3つの画面が連動して動くので、ついつい目が行ってしまいますよね。
一方で、昔ながらの店内音声CMも依然として強力です。こちらは「Mix Fam with your voice」などの番組合間に流れるラジオCMのようなもので、モニターを見ていないお客様や、お店の奥で商品を選んでいるお客様の耳にも自然と届きます。視覚情報がない分、ナレーターの声質やBGMの雰囲気でブランドイメージを刷り込むのに適していると言えます。
- Vision(映像): 視覚と聴覚で訴求。インパクトが強く、商品の具体的な利用シーンを見せるのに最適。
- 音声CM(ラジオ): 聴覚のみで訴求。店舗内のどこにいても届き、刷り込み効果が高い。
ゲート・ワンによるVisionの仕組み
この巨大なデジタルサイネージネットワークを運営しているのが、「株式会社ゲート・ワン」という会社です。ファミリーマートと伊藤忠商事などが共同で立ち上げた会社で、まさにコンビニをメディア化するために存在しているプロフェッショナル集団ですね。
私が調べてみて驚いたのが、このVisionの「見られているかどうか」の計測技術です。単に映像を流しているだけではなく、AIカメラなどを活用して視認率を測定し、インプレッション(広告が見られた回数)をデータ化しているとのこと。最近のデータでは想定インプレッション数が10%以上も増加しているそうで、設置位置の工夫やコンテンツの面白さによって、私たち利用者が自然と画面を見てしまうような仕掛けが作られているんですね。
地域ごとに設定された広告の料金相場
では、実際に広告を出すとしたらどれくらいの費用がかかるのでしょうか。これはあくまで一般的な目安ですが、エリアや期間によってかなり幅があるようです。
例えば、音声CMを全国約16,000店舗すべてで一斉に流そうとすると、1週間単位で数百万円規模の予算が必要になります。ナショナルブランドや大企業向けのプランですね。しかし、地域を限定すればぐっとハードルは下がります。
| 広告タイプ | エリア | 期間目安 | 費用感(税別) |
|---|---|---|---|
| Vision(動画) | 東京都内 | 1週間〜 | 約50万円〜 |
| Vision(動画) | 地方都市(福岡等) | 1週間〜 | 約20万円〜 |
| 音声CM | 全国一斉 | 1週間〜 | 約180万円〜 |
| 音声CM | 特定県(例:熊本) | 1週間〜 | 数万円〜10万円程度 |
特に注目したいのが、地方エリアでの出稿です。例えば熊本県や鳥取県のような特定のエリア限定であれば、数万円から十数万円程度で音声CMを出せるケースもあるようです。これなら、地元の自動車販売店や住宅メーカー、地域イベントの告知などでも十分に検討できる金額感ではないでしょうか。
上記の金額はあくまで推計や過去の資料に基づく目安であり、時期や契約条件によって大きく変動します。正確な見積もりは必ず指定の代理店等へお問い合わせください。
費用対効果の高いターゲット層の選定
コンビニ広告の面白いところは、時間帯や場所によって「誰がいるか」がはっきりしている点です。費用対効果を高めるためには、自分の商品が誰に向けたものなのかを明確にする必要があります。
例えば、朝の時間帯なら通勤通学の会社員や学生、昼間なら主婦層や営業職の方、そして深夜ならドライバーや若者層といった具合です。ファミリーマートの媒体資料などを見ると、こうした属性に合わせて放送内容を細かく編成していることがわかります。
また、Vision(サイネージ)は都市部を中心に導入が進んでいるため、トレンドに敏感な層やビジネスパーソンにリーチしたい場合に有効です。逆に、音声CMは地方を含む全国津々浦々の店舗をカバーできるので、幅広い層に名前を覚えてもらいたい場合に強みを発揮します。
代理店経由での募集と申し込みの流れ
「よし、個人的に広告を出してみたい!」と思っても、基本的には個人が直接ファミリーマートの本部に電話して申し込めるものではありません。通常は広告代理店を経由して申し込みを行う形になります。
また、コンビニという公共性の高い場所で流れるため、審査基準はそれなりに厳しいと考えておいたほうが良いでしょう。特に最近は「カスタマーハラスメント(カスハラ)」対策などで、店舗環境の快適性が重視されています。あまりに大声で叫ぶような演出や、不快感を与える表現はNGになる可能性が高いです。
申し込みから実際の放送までは、素材の納品や考査(審査)を含めて数週間から1ヶ月程度かかるのが一般的です。もしイベント告知などを考えている場合は、かなり余裕を持ってスケジュールを組むことをおすすめします。
ファミリーマートの店内放送広告における番組戦略

広告というと「邪魔なもの」と思われがちですが、ファミリーマートの場合はそれを「エンターテインメント」に変えようとしている工夫が随所に見られます。ただ商品を宣伝するだけでなく、思わず聞き入ってしまうような番組作りがされているんですよね。
番組で流れる曲や時間のスケジュール
ファミリーマートの店内放送は「Mix Fam with your voice」などの番組名で構成されていて、まるでラジオ局のように24時間体制でスケジュールが組まれています。
例えば、朝は爽やかな音楽で1日をスタートさせ、夜は少し落ち着いたトーンにするなど、時間帯ごとの店内の雰囲気に合わせた選曲がなされています。また、毎時0分や30分といった決まった時間に時報代わりの番組やニュースが流れることもあり、これを時計代わりにしている店員さんや常連さんもいるかもしれませんね。
人気声優や俳優を起用したナレーション
私が個人的にいつも「すごいな」と思うのが、起用されているタレントさんの豪華さです。FamilyMartVisionの番組「10セカンズキーワード」では、長澤まさみさんのような映画界のトップ俳優が登場してトークを繰り広げています。これ、普通にテレビ番組を見ているのと変わらないクオリティですよね。
また、アニメファンにはたまらないのが人気声優の起用です。例えば、ジェイアイ傷害火災保険のCMなどで、「僕のヒーローアカデミア」の緑谷出久役などで知られる山下大輝さんがナレーションを担当されたことがありました。企業側も、単に有名な人を使うだけでなく、その声が持つ「誠実さ」や「優しさ」といったイメージが、ブランドの信頼感につながることを計算して選んでいるそうです。ファンにとっても、買い物中に推しの声が聞こえてくるのは嬉しいサプライズですよね。
深夜帯におけるアーティスト楽曲の紹介
深夜のコンビニは、音楽ファンにとって意外な「出会いの場」でもあります。深夜帯(0:00〜04:59頃)の放送枠では、これからブレイクが期待されるアーティストの楽曲が積極的にオンエアされているんです。
2025年の事例では、「Am Amp」というアーティストの楽曲がピックアップされていました。静かな店内でふと流れてきた曲が気になって、あとで「ファミマ 深夜 曲」と検索した経験がある方もいるのではないでしょうか。こういった枠は、音楽レーベルにとっても若者層にリーチできる貴重なプロモーションの場になっているようです。
VTuberを活用した参加型の宣伝
そして今、最も新しい流れと言えるのがVTuber(バーチャルYouTuber)やVライバーを活用した広告です。「SPOTLIGHTS」などのイベントでは、VTuberたちが店内放送の出演権をかけて競い合うという、まさに「参加型」の企画が行われています。
これまでの広告は企業がお金を出して一方的に流すものでしたが、このモデルでは「ファンが推しを応援して、その結果として店内で声が流れる」というストーリーがあります。ファンは放送期間中に実際に店舗へ行って、「推しの声を聞く」という体験をしに行きます。これは単なる広告を超えて、店舗への来店動機を作る強力なO2O(Online to Offline)施策になっていますよね。
こうした企画は数ヶ月前からエントリーが始まり、年末などの商戦期に合わせて放送されることが多いようです。推し活の一環としてコンビニに通うというのも、現代ならではの光景です。
ファミリーマート店内放送広告の今後の展望
ここまで見てきたように、ファミリーマートの店内放送は単なるBGMの枠を超えて、高度なメディア戦略のもとで運用されています。
今後は、AIカメラの分析技術がさらに進み、「今、レジ前に立っているのが20代男性だから、このエナジードリンクのCMを流そう」といった具合に、リアルタイムで広告を出し分けるような未来もそう遠くないかもしれません。一方で、店舗はあくまで買い物の場所。音の大きさや内容が私たち利用者の不快にならないよう、「快適な買い物体験」と「広告効果」のバランスをどう取っていくかが、今後の大きなカギになりそうです。
まとめ

ファミリーマートの店内放送広告は、デジタルサイネージの「Vision」と音声のみの「インドアラジオ」を組み合わせた強力なメディアです。大企業だけでなく、地域によっては中小企業でも手が届く料金設定があり、ターゲットに合わせた柔軟な出稿が可能です。今後もタレントやVTuberを起用した面白いコンテンツが増えていきそうで、買い物中のちょっとした楽しみになりますね。
本記事で紹介した料金や仕組みは、独自のリサーチに基づく一般的な情報です。実際の広告出稿に際しては、最新の媒体資料をご確認の上、指定の代理店や運営会社へ直接お問い合わせください。

