ファミリーマート上場廃止の理由とは?TOBの真相とその後を解説

みなさん、こんにちは!毎日のようにコンビニに通っている、ブログ管理人です。

上場廃止

ふとニュースやネットの記事でファミリーマートの上場廃止に関する話題を目にして、具体的にいつ廃止になったのか、あるいは現在の経営体制がどうなっているのか気になったことはありませんか。実は私自身も、普段何気なく利用しているファミマが、いつの間にか伊藤忠商事の完全子会社になっていたと知って驚いた記憶があります。なぜ上場廃止という道を選んだのか、その理由には親子上場の解消や株価を巡るTOB価格の決定プロセスなど、ビジネス的にも非常に興味深い背景があるようです。この記事では、当時話題になった物言う株主との攻防や、上場廃止後のメリット、そして応募しなかったらどうなるのかといった疑問について、私なりに調べた内容をシェアしたいと思います。

  • 伊藤忠商事がファミリーマートを完全子会社化した3つの核心的な理由
  • 1株2300円というTOB価格が安すぎると批判された騒動の裏側
  • 上場廃止のタイミングで株を手放さなかった株主の最終的な結末
  • 非公開化によって加速しているDX戦略や無人決済店舗などの今後
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ファミリーマートの上場廃止理由と伊藤忠の狙い

上場廃止1

ここでは、なぜ親会社である伊藤忠商事が巨額の資金を投じてまでファミリーマートの上場廃止に踏み切ったのか、その背景にある構造的な課題や経営戦略について深掘りしていきます。

伊藤忠による親子上場の解消

まず一番大きな理由として挙げられるのが、いわゆる「親子上場の解消」ですね。これは当時から結構ニュースでも取り上げられていたので、耳にしたことがある方も多いかもしれません。

簡単に言うと、親会社である伊藤忠商事と、子会社であるファミリーマートが両方とも上場している状態だと、どうしても「誰のために経営しているのか?」という利益相反の問題が起きてしまうんです。

親子上場のジレンマ

親会社(伊藤忠)はグループ全体の利益を最大化したいと考えますが、子会社(ファミマ)の少数株主はファミマ単体の利益や配当を求めます。この二つの方向性がぶつかってしまうと、迅速な意思決定ができなくなってしまうんですね。

伊藤忠としては、ファミマを100%自分たちのものにすることで、この面倒な板挟み状態を解消し、誰に遠慮することなくスピーディーに経営判断を下せる体制を作りたかったのだと思います。

利益流出の防止と投資効率

次に、お金の面での理由もかなりシビアです。伊藤忠が公式に挙げていた理由の一つに「利益の流出防止」があります。

これはどういうことかと言うと、伊藤忠がファミマに一生懸命ノウハウや人材、資金を投入して儲かったとしても、ファミマが上場している限り、その利益の一部は配当などを通じて「伊藤忠以外の株主(少数株主)」にも渡ってしまいますよね。

伊藤忠からすれば、「自分たちが汗水垂らして育てた利益が、外部に流れていくのは投資効率が悪い」という判断になります。完全に自分たちの会社にしてしまえば、生み出された利益はすべてグループ内に取り込めるわけです。巨額の買収費用をかけてでも、長期的にはその方がお得だと計算したのでしょう。

コンビニ市場の限界とDX推進

3つ目の理由は、コンビニ業界全体が直面している厳しい現実です。みなさんも感じているかもしれませんが、国内のコンビニってこれ以上店舗を増やすのが難しいくらい飽和していますよね。

実際、2020年頃には店舗数は頭打ちになり、さらに深刻な人手不足や人件費の高騰といった問題が山積みでした。これまでの「お店を増やせば儲かる」というモデルは完全に限界を迎えていたんです。

そこで必要になるのが、デジタル技術を使って効率化する「DX(デジタルトランスフォーメーション)」です。でも、これには莫大な投資が必要になります。もし上場したままだと、「そんなにお金を使って目先の利益が減るのは困る」と株主から反対される可能性がありますよね。

だからこそ、上場を廃止して、短期的な赤字を覚悟してでも大胆なDX投資に踏み切りたかった、というのが伊藤忠の本音だったのかなと思います。

上場廃止によるメリットとは

こうして見ていくと、上場廃止には伊藤忠側にとって明確なメリットがあったことがわかります。

最大のメリットは、やはり「外部の声を気にしなくて済む」という点でしょう。四半期ごとの決算で株価に一喜一憂する必要がなくなり、5年先、10年先を見据えた大きな改革ができるようになります。

特に伊藤忠は「食料カンパニー」としての強みを持っていますから、原材料の調達から物流、そして店舗での販売までを一気通貫で管理する「物流合理化」を徹底したかったようです。これも上場廃止によって、両社の壁を取り払うことで初めて実現できるメリットだと言えます。

いつ上場廃止になったのか

では、具体的なスケジュールはどうだったのでしょうか。歴史的な事実として日付を押さえておきましょう。

ファミリーマートは、2020年11月12日をもって東京証券取引所での上場を廃止しました。

当時のタイムライン

  • 2020年7月8日:伊藤忠商事がTOB(株式公開買付)を発表
  • 2020年8月25日:TOBが成立(伊藤忠の保有比率が約65.7%へ)
  • 2020年10月22日:臨時株主総会でスクイーズアウト(強制買取)の手続きを承認
  • 2020年11月12日:上場廃止

発表からわずか4ヶ月ちょっとでのスピード決着でした。この素早さにも、伊藤忠の「早く改革を進めたい」という強い意志が感じられますね。

ファミリーマートの上場廃止理由と株主への影響

上場廃止2

ここからは、当時の株主や投資家たちが巻き込まれた「TOB価格」を巡る騒動や、実際に株を持っていた人がどうなったのかという点について解説します。

TOB価格を巡る騒動の真相

この上場廃止劇で一番注目を集めたのが、伊藤忠が提示した「1株2300円」という買付価格でした。

TOB発表前日の株価に対しては30%ほどの上乗せ(プレミアム)があったので、一見すると悪くない条件に見えます。しかし、これに猛反発したのが「物言う株主」と呼ばれる海外のファンドたちでした。

彼らの主張は、「コロナショックで株価が下がっているタイミングを狙って、安く買い叩こうとしているのではないか?」というものでした。実際、コロナ前にはもっと高い株価をつけていましたし、伊藤忠自身も当初は2600円での買収を検討していたという経緯があったようです。

株価は安すぎたのかという議論

では、本当に2300円は安すぎたのでしょうか?これには衝撃的なデータがあります。

実は、ファミリーマート側が公正な評価のために雇った専門機関(PwC)が算出した企業価値のレンジは、下限ですら「2472円」だったんです。

ここがポイント!

伊藤忠の提示した2300円は、ファミマ側のアドバイザーが出した「最低ライン」すら下回っていました。これには驚きですよね。

そのため、ファミマの取締役会も「TOBには賛成するけど、価格が妥当かどうかは何とも言えないから、株主のみなさんは自己責任で判断してね」という、異例の「中立」表明を出す事態になりました。親会社には逆らえないけれど、安すぎると訴えられるのも怖い…という板挟みの苦しさが透けて見えます。

既存株主の株はどうなるのか

「TOBに応募しなかったら、私の持っている株はどうなっちゃうの?」と不安に思った株主の方も多かったはずです。

結論から言うと、TOBに応募しなかった株主の株も、最終的にはすべて強制的に買い取られました。

これは「スクイーズアウト」と呼ばれる手法で、株主総会での決議を経て、少数株主が持っている株を強制的に現金と交換する手続きが行われたんです。ですので、基本的には「紙切れになる」ということはなく、TOB価格と同じ2300円相当の現金が手元に戻ってくる形になりました。

強制的な株式買取と税金

ただし、最後まで株を持ち続けてスクイーズアウト(強制買取)を受けた場合、少し面倒なことになったケースもあるようです。

通常、証券会社を通じて株を売れば「株式等の譲渡所得」として簡単に税金の計算ができますが、スクイーズアウトで受け取ったお金は税務上の扱いが異なる場合があり、確定申告の手続きが複雑になることがありました。

当時、賢い投資家の多くは、TOB期間中に市場価格が2300円を超えていたタイミング(一時期2400円台まで上がっていました!)で市場で売却してしまったようです。それが一番手っ取り早く、かつ高く売れる方法だったんですね。

廃止後のファミマの戦略

さて、晴れて(?)上場廃止となり、伊藤忠の完全子会社となったファミリーマートですが、その後はどうなっているのでしょうか。

私が店舗に行って一番変化を感じるのは、店内に大きなデジタルサイネージ(電子看板)が増えたことですね。あれは「株式会社ゲート・ワン」という会社を作って、ファミマを単なる小売店ではなく「広告メディア」として活用しようという戦略なんです。

他にも、無人決済店舗の導入を進めたり、アプリの購買データを活用した広告事業に乗り出したりと、まさに「小売からデジタルプラットフォームへ」という変革を猛スピードで進めています。

これらはすべて、上場廃止によって短期的な利益を気にせず投資できるようになったからこそ実現している動きだと言えるでしょう。

ファミリーマートの上場廃止理由の総括

上場廃止3

最後に、ファミリーマートの上場廃止について私なりにまとめてみます。

結局のところ、この一連の出来事は、飽和したコンビニ市場で生き残るために、親会社である伊藤忠商事が「親子上場の解消」と「DXによる抜本的な改革」を断行した結果でした。その過程で、価格設定を巡って一般株主やファンドとの摩擦もありましたが、ビジネス的な視点で見れば、これ以上ないほど合理的で冷徹な戦略だったとも感じます。

私たち利用者としては、経営母体が変わっても便利で美味しい商品を提供し続けてくれればそれが一番ですよね。今後、伊藤忠のパワーを使ってどんな新しいサービスが出てくるのか、引き続き注目していきたいと思います!

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