ミニストップ株の今後は?TOBの可能性や株価予想を徹底解説

街中で見かけるとついソフトクリームが食べたくなってしまうミニストップですが、投資対象として見た場合にミニストップ株の今後はどうなっていくのか気になっている方も多いのではないでしょうか。現在の株価が割高なのか買い時なのか、あるいは掲示板などで噂される倒産の心配はないのか、投資家としては非常に悩ましいところですよね。また、親会社であるイオングループの再編が進む中で、TOBによる上場廃止の可能性や予想される展開についても、しっかりと情報を整理しておく必要があります。配当や人気の株主優待の権利確定日がいつなのかを含め、これからのミニストップ株のリスクとリターンについて私なりに調べてみました。

  • 現在の株価とアナリストによる理論株価との大きな乖離について
  • イオンによるTOBの可能性や過去の再編事例に基づいたシナリオについて
  • 投資家に大人気のソフトクリーム無料券など株主優待の魅力とリスクについて
  • 業績回復の鍵となる新業態や海外事業の現状について
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## ミニストップ株の今後の見通しと現状の株価分析

まずは、現在のミニストップの株価がどのような評価を受けているのか、数字の面から見ていきましょう。実は、企業の基礎的な体力(ファンダメンタルズ)と実際の株価の間には、少し不思議なギャップが存在しているんです。ここでは、なぜそのような現象が起きているのか、アナリストの評価や決算データをもとに分析してみたいと思います。

### ミニストップの株価予想と理論株価の乖離

2025年12月現在、ミニストップの株価は2,000円台を推移していますが、実は証券アナリストたちの評価はかなり厳しいものになっています。驚くべきことに、プロが算出する目標株価の平均値は1,300円前後と言われており、現在の市場価格とは約37%もの乖離(開き)があるんです。

なぜこれほど評価が分かれるのか?

通常の小売業であればPER(株価収益率)は15倍〜25倍程度が目安ですが、ミニストップは利益水準が低いため、PERが800倍超えという異常値になることもあります。指標だけ見れば「超割高」ですが、それでも株価が下がらないのは、後述する「TOBへの期待」や「優待人気」が下支えしているからだと考えられます。

つまり、現在の株価は純粋な業績だけでなく、投資家の「期待値」や「優待が欲しいという気持ち」によってプレミアムが乗っている状態と言えそうですね。

### 株主優待の権利確定日と廃止のリスク

ミニストップ株を語る上で欠かせないのが、個人投資家から絶大な支持を集める株主優待制度です。権利確定日は毎年2月末と8月末の年2回。100株保有していれば、あの美味しいソフトクリームの無料交換券が5枚ずつ、年間で合計10枚ももらえます。

保有株数 優待内容(年2回)
100株以上 ソフトクリーム無料券 5枚
200株以上 ソフトクリーム無料券 5枚 + コーヒーS無料券 3枚
1,000株以上 ソフトクリーム無料券 20枚 + コーヒーS無料券 3枚

この優待があるおかげで、「含み損になってもソフトクリームが食べられるから売らない」という根強いファン(私もその一人になりそうです…)が多く、株価の下落を防ぐ防波堤になっています。

優待廃止のリスクは?

最も怖いシナリオは、業績悪化による優待の改悪や廃止、あるいはTOBによる上場廃止で優待自体が消滅することです。もし優待がなくなれば、優待目的で保有している層が一斉に売りに走る「パニック売り」が起き、株価が急落するリスクがあることは頭に入れておく必要があります。

### 配当金の推移と実質利回りの評価

配当金については、年間20円程度の予想となっています。株価2,000円で計算すると配当利回りは約1%程度と、決して高くはありません。

しかし、ここで重要になるのが「優待を含めた実質利回り」です。年間10枚のソフトクリーム券を、プレミアムソフトなどの単価(約400円〜)で換算すると約4,000円相当の価値になります。配当金と合わせれば総合利回りは約3%程度まで跳ね上がります。

数字以上の価値

家族で並ばずに美味しいソフトクリームを食べられる体験は、単純なお金以上の価値を感じる投資家も多いはずです。この「心理的満足度」の高さこそが、ミニストップ株の隠れた強みなのかもしれません。

### 決算から見る赤字の原因と業績推移

直近の決算(2025年2月期・2026年2月期トレンド)を見てみると、売上にあたる「営業総収入」は増えているものの、利益面では苦戦が続いています。いわゆる「増収減益」の状態ですね。

特に大きな要因となっているのが、人件費の高騰直営店比率の上昇です。

  • 人件費: 店内加工(手作りおにぎりやホットスナック)に力を入れているため、他社よりも店舗オペレーションが複雑で人手が必要です。最低賃金の上昇もダイレクトに響いています。
  • 直営店増加: フランチャイズオーナーの高齢化などで、本部が店舗を引き取るケースが増えています。直営店は本部のコスト負担が大きいため、これが利益を圧迫する悪循環に陥っているようです。

藤本社長も「売上が約20%伸びたのに、販管費が約40%も増えてしまった」という趣旨のコメントをしており、コストコントロールが喫緊の課題となっています。

### 倒産の可能性と財務状況の安全性

掲示板などでたまに「赤字続きで倒産しないの?」という声を見かけますが、現時点での倒産リスクは低いと私は考えています。

理由はシンプルで、親会社があの巨大企業イオングループだからです。自己資本比率も40%台(2025年時点)を維持しており、すぐに資金繰りが行き詰まるような危険水域ではありません。

ただし、「倒産しない=株価が安泰」ではありません。業績が改善しなければ、親会社によるテコ入れ(TOBや再編)が行われる可能性が高まります。つまり、倒産のリスクよりも「上場廃止になって市場から姿を消すリスク」の方が、投資家にとっては現実的なシナリオだと言えるでしょう。

## ミニストップ株の今後を握るTOBと成長戦略

さて、ここからはミニストップの未来を占う上で最も重要なテーマ、「イオングループ再編」と「独自の成長戦略」について深掘りしていきます。今の株価を支えているのは、ある意味でこの「将来への思惑」によるところが大きいのです。

### イオンによるTOBと上場廃止の可能性

私が調べた中で、多くの投資家が注目している最大のイベントが「イオンによる完全子会社化(TOB)」です。近年、イオンはグループ会社の再編を急速に進めています。

  • ウエルシアHD: ツルハHDとの統合へ向けた動き
  • イオンディライト: TOBによる完全子会社化
  • イオンモール: 株式交換による完全子会社化を発表

このように、「上場子会社を解消する」という流れは明確です。ミニストップも例外ではなく、いつTOBが発表されてもおかしくない状況と言えます。

TOBが実施されたらどうなる?

一般的にTOBでは、現在の株価に30%〜40%のプレミアム(上乗せ価格)がつきます。しかし、ミニストップは現状すでに株価が割高なため、大幅な上乗せは期待しにくいかもしれません。あるいはイオンモールのように「株式交換」となり、ミニストップ株がイオン株に変わる可能性もあります。

### 掲示板での個人投資家の反応と評判

Yahoo!ファイナンスなどの掲示板を覗いてみると、投資家たちの本音が垣間見えます。大きく分けると、以下の2つの層がいるように感じました。

  1. 優待ガチホ勢: 「株価が高いとは思うけど、優待がある限り売らない」「孫とソフトクリームを食べるのが楽しみ」という層。この層が株価の下値を支えています。
  2. TOB待ち勢: 「次はミニストップだ」「再編の発表待ち」と、イベントドリブンで利益を狙う層。

総じて、業績に対する悲観的な見方はありつつも、「何かが起こるかもしれない」という期待感が掲示板の熱量を維持している印象です。

### コンボストアやミニストップポケットの将来性

もちろん、ミニストップも手をこまねいているわけではありません。業績回復に向けた2つのエンジンがあります。

ひとつは「Newコンボストア」。従来のコンビニとは一線を画し、出来立てのドッグパンや専門店のカフェラテなど、ファストフード色を強めた店舗です。おしゃれな外観の店舗も増えていますが、注文ごとに調理するため「待ち時間」や「スタッフの負担」が課題になっています。

もうひとつ期待したいのが「ミニストップポケット」です。

ミニストップポケットとは?

オフィスや工場、病院などの休憩スペースに設置する「極小の無人コンビニ」です。セルフレジ決済で人件費がかからず、場所も取らないため、利益率が高いのが特徴。すでに1,000拠点以上あり、大手3社が入り込めないニッチな市場を開拓しています。

この「ポケット」事業が大きく育てば、飽和したコンビニ市場での生き残り策として面白い存在になるかもしれません。

### ベトナム事業の苦戦と海外展開の課題

海外に目を向けると、主力であるベトナム事業は苦戦が続いています。なんと10期連続で営業赤字という厳しい状況です。

現地ではサークルKやファミリーマート、地場のウィンマートなどがひしめき合っており、店舗の賃料も高騰しています。日本の高品質モデルをそのまま持ち込んでも、現地の価格感と合わないケースがあるようです。

今後はイオンベトナムとの連携を深めてコストを削減し、2025年度中の黒字化を目指していますが、もし改善が見込めなければ「撤退」や「事業統合」といった判断が下される可能性もあるでしょう。これも株価にとっては大きな材料になり得ます。

### 結論:ミニストップ株の今後の投資判断(まとめ)

ここまで見てきたように、ミニストップ株の今後は「自力での業績V字回復」よりも「イオングループの再編(TOB)」に命運を握られていると言っても過言ではありません。

  • ポジティブ要素: TOBによるプレミアム期待、強力な株主優待、ミニストップポケットの成長。
  • ネガティブ要素: 慢性的な赤字体質、人件費高騰の影響、割高なバリュエーション。

投資判断としては、「優待(ソフトクリーム)を楽しみながら、いつか来るかもしれないTOBというボーナスを気長に待つ」というスタンスが合っている銘柄ではないでしょうか。まるで「美味しいクーポン付きの宝くじ」のような感覚かもしれませんね。

最後に

本記事の情報は2025年12月時点の調査に基づいています。投資にはリスクが伴いますので、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。正確な最新情報は、必ずミニストップの公式サイトや証券会社の情報を確認するようにしましょう。

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